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2018年6月16日

NEMESISで二次旋回が変わるってどういうことですか?

市販されているバイクに搭載されている、いわゆるスタンダードECUはいろいろなユーザーがいろいろな場面で大きな問題が発生しないような優秀なセッティングがインプットされています。このことはDUCATIでも例外ではありません。しかしながらこの多目的なセッティングがワインディングロードやサーキットでベストセッティングかどうかは別です。

ここで二次旋回とECUの関わり合いを簡単に説明することにします。

二次旋回という言葉の定義をここではクリッピングポイントを通過して加速しながら旋回していく状態ということにしましょう。また二次旋回時の乗車フィーリングは決してECUだけで変わるものではないことも前提としてイメージして下さい。しかしながらサーキットにおいてこの二次旋回とECUセッティングというものは非常に深い関係にあります。まずはクリッピングポイントを通過してスロットルを開けながらコーナーを立ち上がっている自分をイメージしてください。ここで大多数のDUCATIユーザーはリアアームを介してタイヤが強く地面に押し付けられた状態のいわゆる「トラクションの効いた」加速を体験したことがないはずです。多くのDUCATIユーザーは「スロットルオープンで外側にはらんでしまう」「スロットルの開け始めから開度20%位までの反応が鈍い」といったフィーリングをもつことが多く、本来の二次旋回の気持良さを体験しているユーザーは少ないと思います。 特にクラブマンレーサーの中でも中級から上級クラスのレースにエントリーしているライダーがこの問題を抱えている場合が多い傾向にあります。
この原因のひとつにDUCATIのスタンダードECUにはサーキットユースにおいて「スロットル開度に対する駆動力増加率のアンバランス」というセッティング上の問題があげられます。簡単に言えばECUのセッティング上の特性で「コーナー立ち上がり時に必要なパワーがワンテンポ遅れて発生する」という傾向にあります。このタイムラグは中上級ライダーにとってはコーナー立ち上がり加速時に必要なトラクション確保に大きなマイナスとなるだけではなく、このマイナスは車体系、サスペンション系のセッティングではなかなか改善できません。しかしながらこのマイナスはDUCATIエンジン本体の問題ではなくECUセッティングの問題なのです。ここで誤解してはいけないのはこのサーキットユース時のネガがストリートユースではプラスの場合もあるということです。

結論的にはNEMESISを使うことによっていろいろな用途において手軽にベストセッティングが出来るようになるということです。今後HPコラムでサーキットユースとストリートユースの要求性能の違いやサーキットユース時のセッティングヒントなども掲載する予定です。