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ネコラム2020年7月4日

GSX-R1000 + MecTronik MKE7 奇跡の1日に最良のセッティング。《走行テスト編その2》

お題が長くなりすぎて申し訳ございません。再び登場のネコラムです。

初めからワカルちゃん登場という無理矢理な展開。

 

さて翌朝、準備万端でAP(オートポリス)へGO!となりましたが、阿蘇の外輪山はすでに雨と薄めの霧でかなり怪しい雰囲気。ゲート前に付いたら案の定、霧、霧、そして霧!

雨なら走れるけれど霧はダメです。どうしようか悩んでいると地元の二人(荒瀬氏、秋吉氏)が究極の決断。

「よし!SPA直へ行こう。」

躊躇なく、いやちょっとギャンブルではあったかもしれませんが大分のSPA直入へ行き先変更。

梅雨の時期にゲリラ的に九州でのテストを計画したレイクラフトのテスト部隊もこの機を逃すわけにはいきません。

到着すると、SPA直入も小雨で路面はウェット。

 

とりあえず車両を降ろしピットを設営します。

すると、徐々に天気は回復し、午後には完全ドライの路面でテスト走行できるようになりました。

まさに奇跡です!

とりあえずコースを確認。ライダーは秋吉耕佑選手。

ストレートスピードも申し分ありません。

 

今日の本題はTC(トラクションコントロール)のセッティングなので、走行時間をフルに活用して、TCのターゲットの設定、介入の度合いなどをライダーのコメントを聞き、データで確認しながら細かくセットアップしてゆきます。

夕方4時の最終走行枠までフルに活用して、最適なTCやエンジンブレーキのベースセットアップが完成しました。

見事に天候が回復した青空のもと、GSX-R1000の快調なエンジンサウンドが! あっ、ちょっと風の音がうるさくてTCの音がわかりづらいかも~(撮影の腕を嘆くわたくし)

でも、奇跡の1日で最良のセッティングが出来ました。

 

 

これで終わらないところが、レイクラフトのネコラムです。

次回はTCのセッティングに付いてテクニカルな面からのアプローチでコラムを予定しております。

あと何回寝たらアップできるでしょうか。どうぞお楽しみに~。

ネコラム

GSX-R1000 + MecTronik MKE7 奇跡の1日に最良のセッティング。《走行テスト編》

前回、このお題のコラムの展開をどうしようか寝ながら考えますと申し上げてから、相当な日数寝てしまいました。ねぼすけなネコラムです。

寝ながら考えた今回の展開はいきなり《走行テスト編》に行ってみたいと思います!

週間予報でも直前でも「雨」の天気予報しか出ていなかった九州に、ほぼゲリラ的に上陸したレイクラフトのテスト部隊2名はまず、GSX-R1000 L7オーナーの荒瀬様のガレージにお伺いし、ダッシュメーターの取付とロガーの計測項目の設定を行いました。

あれっ?ダッシュの取付って、もうMoTeCのダッシュが取り付けてあったんじゃなかったの?と思われたあなた!コラムの読み込みが深いですね~。さすがです。ボーナスポイントを差し上げます。

そうなのです。当初MoTeCのダッシュメーターを着けていたのですが、ECU側から出力されるチャンネルの一部のCAN_IDが変更され、たまたまこのIDがMoTeC側が占有するCAN_IDとバッティングしてしまっていて表示したい項目がMoTeCのダッシュでは表示出来なくなってしまいました。

 

 

ここで、登場するのが以前にこちらのコラムでもご紹介したStarlane(スターレーン)製のデジタル・カラーディスプレイ「ダヴィンチII-S」です。

この「ダヴィンチII-S」についてのコラムは

⇓こちらをご覧ください。

奇跡の748SP <再会編>

奇跡の748SP <バージョンアップ編>

 

Starlaneの「ダヴィンチII-S」は車両別のアダプターハーネスが各種別売りで準備されていますが、この車両はECUをMecTronik MKE7に替えているので、車種別アダプターハーネスではなく、何と今回は今年新発売された「汎用CANアダプターハーネス」を使って取り付けます。

このハーネスなら車種を問わずCANの出力があれば「ダヴィンチII-S」に情報を取り込むことが出来ます。あ~、CANってホントに便利ですよね~。(やばい!またワカルちゃんが登場しそうな気配・・・(笑))

 

事前に荒瀬様の方でメーターステーの制作や取付をしておいて頂き、レイクラフト・テスト部隊が到着したときにはセットアップを待つばかりの状態になっていました!

そして、セットアップ後の「ダヴィンチII-S」の画像がこちらです。

 

 

画面のバックグラウンド色の切り替えや、保存されたラップタイムのリコール、セクションタイムの表示、サーキットマップの保存など様々な機能がボタン操作で簡単に行うことが出来ます。

バックグラウンド色は実際の走行時にはホワイトのほうが視認性が良いとのライダーコメントでした。

これで走行前の準備は万端です。あとはお天気次第。果たしてこの後の展開は?

ネコラムまだまだ引っ張ります。お伝えしたいことがありすぎて・・・

走行テスト編の実走の詳細はその2へと続きます。

 

 

ネコラム2020年6月27日

GSX-R1000 + MecTronik MKE7 奇跡の1日に最良のセッティング。《前置き編》

ご無沙汰しておりました。ネコラムです。新型コロナウィルスの感染拡大を予防するための活動自粛は私たち二輪業界も例外ではなく、この数カ月レースイベントの中止や延期はもとより、サーキットでのスポーツ走行なども控える日々が続いておりました。

 

以前、Newsページでご紹介した全日本ロードレースに今シーズンから新設されたST1000クラスに向けて開発しMFJの公認を受けたECU2機種もその活躍を待機せざるを得ない状況となっておりました。

 

しかし、この自粛の期間はある意味レイクラフトにとっては「ピンチはチャンス」の恵みの時間でもありました。レース開幕が延期されたこの時間に、ECUのベースセッティングの熟成や対応車種展開の拡充などじっくり時間をかけて行う開発作業を進めることが出来たからです。

 

そして、緊急事態宣言も解除され行動自粛も徐々に緩和されつつある中でステイホーム中に蓄積していたテストプランやセッティングをついに外に出て試す時が来ました!

 

前置きが長くなりましたが(ネコラムではよくあることなのでお許しを・・・)今回のコラムは、昨年8月のコラムでご紹介したGSX-R1000+MecTronik MKE7のプロジェクト第2段!「トラクションコントロールの熟成」のお話です。以前のこのコラムはこちらからどうぞ。⇒GSX-R1000 + MecTronik MKE7 シェイクダウン完了!

 

トラクションコントロールってどうやって熟成するの?トラクションコントロールってセッティングで変わるの?そもそもトラクションコントロールって何をセッティングするの?疑問は尽きないと思います。

「そぉですよねぇ~、わかります~」(夜廻り猫のワカルちゃん風に言ってみました。)

だって普通トラクションコントロールはレベルスイッチを上げ下げするか、モードを切り替えるかだけで、その中身を調整するなんて考えたこともないですよね。「そぉですよねぇ~、わかります~」(くどい!(笑))。

 

と、ここでネコラムはどうしようか迷っています。プロジェクトの話に持っていくのか、それともトラコンのセッティングの話を掘り下げるのか?今回はお堅い導入のネコラムでしたがワカルちゃんの登場で一気にゆる~い感じになってしまっています。マズイ!というわけで、夜も更けてきたので今日のところはこれでインオペとさせて頂き、この後のコラムの展開を寝ながら考えたいと思います。(コラムというより日記になってしまいました。)次のコラムをお楽しみに~。

 

ネコラム2019年10月20日

YZF-R1 + MecTronik MKE7 完検!

その日、スポーツランド菅生は秋晴れのきれいな青空が広がりました。

朝方は少し肌寒さもありましたが、これからのスポーツ走行を控え期待と不安で体温は否応なく上昇してゆきました。

今日は、いよいよMecTronik社製ECU MKE7を積んだYZF-R1の完検走行です。

皆さんもご承知の通り、来シーズン2020年から全日本ロードレース選手権にST1000クラスが新設されます。

10月上旬にはMFJから正式に技術仕様についてもリリースがありました通り、ECUについてはST1000用MFJ部品公認ECUへの変更が認められます。

レイクラフトでは昨年より販売を開始したMecTronik社製ECUであるMKE7(エムカッパイーセブン)で各メーカーのスーパーバイクでの適合とセットアップを進めてきました。MKE7についてはこちらから⇒MKE7

ヤマハYZF-R1については、今年6月からプロジェクトをスタート。MecTronik社製ECU MKE7を搭載し、始動性の改善、ベースの燃料マップや点火時期のセット、シフターのフィーリング調整、出力チェックなど、仙台のフクダテクニカさんのご協力を得てシャシーテストなどを重ねてきました。

そしていよいよこの日、完検を迎えました。

 

テストライドをお願いしたのは、これまでシャシーテストなどでも協力して頂いていた秋吉耕佑ライダーです。

 

テストで使用するYZF-R1の車両は全くのスタンダード仕様、タイヤもブリヂストンの市販品でこの日のテスト開始時点ですでに30周前後走行している状態のタイヤです。

スポーツ走行は午前中1本と、午後4本の合わせて5本でトータル78ラップ走行を行いました。

そして驚くことに、午後の2本目の走行では1分31秒台前半のタイムを連発、ベストタイムは1分31秒19を記録。この時点でこの日だけですでに40ラップ(トータルでは70ラップ前後)走行しているタイヤでこのタイムを叩きだしました。タイヤをフレッシュにすれば1分29秒台も現実的に見えてくる状況です。

 

次にダッシュディスプレイに関してですがその時のダッシュディスプレイの表示がこちら。

今回テストに使用したダッシュディスプレイはアメリカのAEM社製のダッシュで、GPSを使用したラップタイムを表示し、実走タイムの他に予測タイムや一定区間ごとにベストタイムとのタイムギャップを表示してくれます。

画面中央に緑文字で+0.00と表示されている部分が走行中にプラスやマイナスの数値で、ベストタイムに対する一定区間ごとのタイムの上下をライダーに知らせてくれる”ヤル気”ディスプレイとなっています。このディスプレイについてはまた別の機会に詳しくご紹介します。

 

ちなみに、この日の完検はあくまでベースセットの確認なので、秋吉選手のコメントに沿ってエンジンブレーキの調整は少し行いましたが、トラクションコントロール(以下TC)やウィリーコントロール(以下WC)はすべてOFFの、制御はいわゆる”素(す)”の状態での走行です。

タイヤをフレッシュにすることに加えTCやWCのセッティングも進めれば安全に1分29秒台で走行できるのではないでしょうか。またこのMKE7は内蔵のIMUでリーンアングル計測が可能なので、リーンアングルを考慮したTCのスリップターゲットが設定でき、きめ細かなセッティングが可能となります。

 

 

ストック仕様の車両で、尚且つ履き倒したタイヤでこのタイムはさすが秋吉選手です。

そして、MKE7 も十分にその性能の高さ、耐久性、信頼性を確認することが出来ました。

来シーズンのST1000クラスへのECUとして準備は整いました!

 

ネコラム2019年8月4日

GSX-R1000 + MecTronik MKE7 シェイクダウン完了!

昨年後半からの構想を含めると約1年弱のプロジェクトがついにシェイクダウンの日を迎えることが出来ました。

 

九州の荒瀬貴さんからECUのご相談を受けたのが昨年2018年の9月だったと記憶しています。

荒瀬さんとレイクラフトのお付き合いが始まったのは遡ること8年前、同じく九州出身のロードレースライダー秋吉耕佑選手から紹介して頂いたのがきっかけでした。荒瀬さんと秋吉選手は若い頃からのレース仲間で今でもその親交は続いています。

荒瀬さんにはこれまでもレイクラフトの電装部品を数多く導入して頂き、また同じく九州のライダーの皆さんにも広く展開して頂いています。あの当時はカワサキのZX-6Rでレースをされていて、マイクロテックのECUと2Dのデータロガーを搭載して頂きました。

その時の詳しいお話はこちらのコラムをご覧ください。

6Rに乗っとっと?

 

そして今回は新車導入されたスズキ GSX-R1000 L7にECUを搭載したいとのご要望でしたので、いろいろ検討した結果、この車両にはMecTronik製のMKE7が最適と考えプロジェクトがスタートしました。MKE7についてはこちらからMKE7

 

2018年の年末から明けて2019年の2月にかけてハーネスの製作、ベースマップの作成などECU導入に必要な作業を進め2月下旬にようやく火入れを行うことが出来ました。

 

しかし、その後なかなかスケジュールの調整がつかず、5月に車両を仙台まで搬送して頂きフクダテクニカ様のご協力を得て台上テストを行うところまでこぎつけました。

 

この時は秋吉耕佑ライダーに台上セットの乗車をお願いしました。台上テストでは、基本的な燃料、点火時期のセットに始まり、シフターのファインチューニングまで進めることが出来ました。そして、6月末にいよいよオートポリスでシェイクダウンの予定だったのですがあいにく九州地方の大雨のためサーキット走行がキャンセルとなり出直しを余儀なくされてしまいます。

そうしてようやく今回8月2日~3日の2日間、晴天に恵まれたオートポリスサーキットで念願の実走シェイクダウンが実現しました。テストライダーはもちろん秋吉耕佑選手です。贅沢です!

 

 

初日はECUの制御項目の作動確認を行い、2日目にはローンチ・コントロールのセットアップやトラクションコントロールのレベルの最適化など実走でしか確認できない重要項目をテスト消化することが出来、無事にシェイクダウンを終えました。

ただ、今回のテストでは基本的な作動確認と初期のセットアップが済んだだけで、車両全体のセットアップも含めた今後の課題も見えてきたのでこれからのセッティングでどこまで進化させることが出来るか、さらにチャレンジは続きます。そして、今度はご本人のライディングでも乗り味を確認して頂ければと思っています。

ところで、「荒瀬貴」の名前に見覚えのある方も多いのでは?

そうです!2017年の全日本ロードレース第5戦オートポリスのJSB1000クラスで、荒れた天候の中ポールポジションの浦本修充選手と3位の加賀山就臣選手の間に割って入り見事予選2番グリッドを獲得したライダーです。あの当時はヤマハのYZF-R1にピレリタイヤという組み合わせで全日本ラウンドにスポット参戦されていました。その時の詳しい記事はこちらから ⇒ 予選レポート