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Column

2010年4月25日

CANについて

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前回のコラムでCANの話が出たので、今回は簡単にCANについて話をしてみたいと思う。

前回の繰り返しになるが、CANはontrol rea etworkの略で通信規格のひとつである。ドイツのBosch社が提唱し、後に国際規格として標準化されたのだが、詳しいことは様々なサイトで紹介されているので、興味のある方は調べてみて欲しい。

ここでは、CANのメリットを紹介したいと思う。まず第一に、複数のデバイス間において、それがメーカーの異なるデバイスであってもCANという共通の通信規格を使用することで相互に簡単にデータのやり取りが可能になることである。例えば、マイクロテックのECUに、マグネッティ・マレリのラムダアンプ、ダッシュディスプレイはMoTeC、ロガーは2Dという組み合わせも、CANを使えば、簡単にシステムを構築することが出来る。

第2に、CANは信号線が2本だけで済む。これに電源とグランドを加えても4芯のケーブルでまかなえる。これがどれほど便利かというと、上記のような複数のデバイスを接続する際、それぞれのデバイスを繋ぐ配線が4芯1本で済む。これは、配線の軽量化に大いに貢献できる。

もし、CANがなかったらどうだろう。水温をメーターにも表示し、かつロガーでも計測したいとなった場合、水温センサーを2つ付けて1つはメーター用、もうひとつはロガー用に配線するか、1個のセンサーの信号を分岐して配線することになる。ただし、センサーによっては信号を分岐できないものもある。このようなセンサーが複数あるとしたら・・・、想像するだけでも結構な工数だ。

CANは欧米では相当普及している。電装分野のグローバル・スタンダードといっても過言ではない状況だ。事実レイクラフトで取り扱っている製品は基本的にすべてCANに対応している。しかし、残念ながら日本ではCANの普及が遅れている。日本の電装部品メーカーの製品はCANではなく、各社独自の通信方法を採用していることが多い。

他業種でも日本のガラパゴス化が懸念されているが、電装関係もその傾向が強い。独自であることが孤立にならないことを願いたい。

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