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ネコラム2012年9月18日

モタードmoto1 九州大荒ればい!

やってまいりました九州は熊本。

といっても、実はレイクラフト、先週の全日本ロードレース オートポリス大会からの居残りですっかり九州人になっとっとよ。

モタードmoto1も回を重ねてはや第7戦、ところはHSR九州。 あのKING佐合選手のホームコースでもあります。

レイクラフトはHSR九州は初めてばい。 興味深々でナビに連れられゲートイン。 思いっきり本田技研㈱熊本製作所内です。 そして何と、道路を挟んで向かい側にはRSC高武のショップがあるではないですか!こんなまん前に!と二度ビックリ。

いや~すばらしいコースです。 さすがです。

HSR九州1

そして、メインスタンドの前に、これでもかとその存在感を示すダートセクション。 今回のモタードコースは一周約1.4Km強と他のコースに比べても長いのですが、それにしてもこのダートセクションは相当長いと思われます。(後でロガーで見たら、第一、第二トータルで約300mほどありました。)

HSR九州2

コントロールライン直後の第一ダートはロードコースから左に直角に入り、右カーブ。

Dirt1

その後左に折れて轍の深い短い直線の後大きなテーブルトップ。

Dirt2

この後S字のようなコースを抜けて一旦ロードに戻り、

Dirt4

すぐに第二ダート。ここはカントの付いた、轍の深い右カーブ。

かなり手強そうです。 ダートの質も他とはちょっと違って見えます。(あくまでも素人目ですが・・・)

砂というよりは粘度のある”土”といった感じの色ですが、ベテラン三苫ライダーによると、火山灰の混じった独特のテクスチャらしく、湿ってくると思いのほかツルッと滑りやすい難しいダートなのだそうです。

9月15日(土)の練習日は好天に恵まれました。 爽やかな青空の下、広々としたパドックに色とりどりのテントが映えます。

Paddock1

PROクラスは、10分間の練習走行が午前中3本、午後1本のスケジュールで行われました。

FP1

好天の元ながら、前夜の雨でやや湿り気を含んだダートは、moto2、moto1オープンのライダーだけでなく、PROクラスのライダーにも牙を剥きました。 不意に襲い掛かるスリップや、ダートにタイヤを取られバランスを崩したライダーたちが次々に転倒、コースアウト。 明日のレースに不穏な展開を予想させる練習走行となりました。

FP2

明けて16日(日)は朝からどんよりした曇り空。

Cloudy HSR

いつ雨が降ってもおかしくない・・と思っていたら本当に朝フリー前からポツポツ降り出しあっという間に路面はウェットに。 それでもダートのキャンセルは無く、予定通りのコースで走行が開始されました。

Rainy HSR

思ったとおり、ダートコースは大渋滞。 昨日以上に転倒、コースアウトが続出。

大渋滞

そんなコンディションの中、ダートコースを丁寧にこなし、得意のロードコースを巧みに乗りこなしたミトマックスがPROクラス予選でトップタイムをたたき出し、2位の佐合選手に1.2秒のタイム差をつけて、今シーズン初のポールポジションを獲得しました。2位は佐合選手、3位IKKI選手と続きました。

予選結果

予選の余韻覚めやらぬ内にいよいよPROクラスRACE1。 天候は相変わらず雨が降ったり止んだりの不安定な状況。 ダートのコンディションもさらに悪化していましたが、主催者はあくまでダートはキャンセルせず、対応措置として第一ダートの外側の草むらまでコース幅を広げ、このラインの走行も可としました。 この対処が吉と出るか凶と出るか・・・

草むらコース

RACE‐1スタート。ポールポジションのミトマックスはトップで第一ダートに進入したものの、草むらラインを選んだミトマックスに対し、とっさにダートラインを選んだIKKIがミトマックスを交わしてトップに立ちます。 この後、後半のダートでミトマックスが痛恨の転倒、再始動する間にポジションは最下位に。 トップグループは、IKKI,佐合が他を離しにかかります。 中盤、佐合がIKKIを抜いてトップに立ちますが、最終ラップのダートセクションで、佐合のインをさしたIKKIが前に出てそのままトップを守り見事今季初優勝をゲットしました。

RACE 1 スタート

IKKI優勝

2位に佐合選手、3位にはCG.Phantomの五十住選手。 ミトマックスはレース中のファステストラップを刻んで追い上げましたが惜しくも10位という結果になりました。

今回のRACE 1での森田IKKI選手の初優勝でマイクロテックECU M206のモタードmoto1での初勝利となりレイクラフトにとっても大変うれしい結果となりました。

午後のRACE‐2までの間、天候は刻一刻と変わりました。雨がザーッと降ったかと思うと、チラッと日が差し強風が吹いて路面が乾きだし、その後また霧雨が続いたりと、なんとも微妙なコンディション。 突然の突風でテントが飛ばされるハプニングもありました。

突風でテント飛ぶ

RACE-2の路面は、RACE-1に比べるとロードセクションはややウェット、ダートセクションはやや乾き気味というタイヤチョイスに迷う状況。 スタートでは佐合選手がトップでダートに進入。IKKIが2番手、ミトマックス5番手。その後、ミトマックスはロードセクションで2台をかわし2周目には3番手に浮上。

RACE 2 スタート

この後、佐合選手のジャンプスタートが認定され、60秒のピットストップ・ペナルティが課されます。 これで、ポジションはトップIKKI,2番手ミトマックスとなります。

2番手につけるIKKI

7周目にはミトマックスがIKKIをかわし一時はトップに浮上しました。

トップ浮上のミトマックス

しかし、続くダートセクションでIKKIに前に出られ、さらにピットストップペナルティを受けた佐合が猛然と追い上げてきて2番手まで浮上。 最後はIKKIをもかわしてなんとトップチェッカー。 恐るべしKING佐合!

レース後のパルクフェルメ

RACE2 表彰式

こうして、大荒れの天候の中、レースも壮絶なバトルの展開となり九州ラウンドが終了しました。

今回のレースでは、マイクロテックECU M206の初ポールポジション獲得、そしてRACE1での初勝利、RACE2では、2位、3位表彰台獲得と、大変うれしい結果となりました。

ちなみに、Yassyこと松本康選手のハスクバーナSMR449にも、マイクロテックのECU M232GP3を搭載していることは以前のコラムでご紹介しましたが、松本選手は7月29日に開催されたmoto1オールスターズ第5戦TSタカタのRACE1で2位、RACE2では今季初勝利を飾っており、ここでもマイクロテックECU M232GP3のモタードレース初勝利という結果を残していただきました。

松本選手は、この後、オートレース選手養成所第32期選手候補生の試験に合格し、今年の10月より晴れてオートレーサーへの道を歩まれることになりました。 おめでとうございます。 新しい世界にチャレンジされる松本選手の今後のご健闘を心よりお祈り申し上げます。

ネコラム2012年9月14日

2012 鈴鹿8耐レビュー その3 <8回ピット作戦のリスク>

Suzuka8H_2012

鈴鹿の8耐といえば、7回ピットの8スティント走行がこれまでの定石であった。

2002年にホンダが前人未到の6回ピット作戦を成功させて優勝したことを除いては、7回ピット作戦が当たり前、8回ピットをやったら上位入賞はないというのが定説と思っていた。

ところが2012年の8耐はその定説が大きく揺らいだ。というか、これまでの常識が崩れ大きく転換したターニングポイントの年であったと思う。

確かに事前テストの頃から、「どうもチームOOは8回ピット作戦らしい」とか、「△△のチームは7回ピット作戦はあきらめたらしい・・・」などという噂を耳にし、私はまさか~???と半信半疑だった。

ところがいざ蓋を開けてみると、有力チームのほとんどが8回ピット作戦を行っていたのを見て私はまるで狐につままれたような気がした。 結局、レース中上位に絡んだチームの中で7回ピット作戦を取ったのは、優勝したTSR Hondaと残念ながらリタイアに終わったものの最後まで壮絶な3位争いを展開したEVAトリックスターだけだったのだ。

8回ピット作戦をやらなければならない主な理由はおそらく燃費が成り立たないからだ。

みんないつから燃料を絞ることをやめてしまったのだろう。

燃料を絞らずに8回ピットインをしつつ、それ相応の想定周回数を設定すると、どこにしわ寄せが来るか?

それは、ライダーに速いアベレージタイムのキープを強いることになる。

確かに、YARTもHARCもヨシムラもSERTも驚異的なラップタイムを叩き出している。 しかし残念ながらそのどれもが理由は様々だが悲劇に見舞われている。 その原因が、常に速いアベレージタイムをキープしなければならなかったからだと理由付けてしまうのは早計かもしれないが、ライダーにハードプッシュを強いていたのは間違いないのではないだろうか。

話しはそれるが、今年の自動車のル・マン24時間レースで似たような展開があったのをご存知の方もおられるかもしれない。

優勝候補筆頭のアウディ勢に対し、トヨタ勢も善戦していた。 トヨタの作戦はアウディよりもピットインの回数を増やす代わりにアベレージタイムを上げる作戦。 アウディとトップ争いを展開しスタートから5時間ほど経過した頃、ついにトヨタ車の一台がアウディを抜いて1位に浮上、しかしその直後別のトヨタ車が周回遅れの車両に激突。この事故処理の間のセーフティーカー先導中、ピット作業でトヨタはアウディに逆転され、セーフティカーが抜けた後のレース再開後まもなく、追い上げを図っていたこのトヨタ車も日産の車両と衝突してリタイアという結果になった。

耐久レースは過酷だ。 ライダーの消耗は想像を絶する。 そんな中で速いラップタイムを刻み続けて走行できるライダーは本当にすばらしい。 しかし、ライダーだけにそのような過酷なレースを強いていて良いのだろうか?

耐久レースはチームワークの戦いだ。 1秒でも早くピット作業を行えるように備えるピットクルー、ライダーの体調管理をするスポーツドクターやヘルパー、レース全体を把握し指揮するチーム監督、では燃費の手立てをするエンジニアはどこに?

燃費が成り立たないから8回ピット作戦で。 その代わりライダーの皆さんはハイペースを確実にキープしてくださいね。ではまずいでしょう。 もしそれが本当なら、批判を恐れず言わせてもらえばそれはエンジニアの怠慢だと思う。

こう考えてくると、一見楽そうに見える8回ピット作戦は実は大変リスクの高い作戦と言わざるを得ない。

ネコラム2012年9月13日

2012 鈴鹿8耐レビュー その2 <出口の28周>

 Suzuka8H_2012

出口選手とは2009年のPLOTでの全日本参戦以来、今年で4年目のお付き合いとなります。

そして、出口選手の耐久レースでの課題はなんと言っても燃費。

この話しをすると出口選手はちょっと、いや、かなり不機嫌になってしまうのですが、耐久レースではこの課題は避けては通れない重要事項です。

私たちレイクラフトも、エンジンのマネージメントや燃費の管理を行っている以上、この点について何とか出口選手の燃費を向上させることが出来ないかと毎年いろいろなアドバイスや、燃料設定のアイディアを練ってきました。

ただ、これは本人の名誉のためにもあらかじめ言っておいたほうが良いと思うのですが、決して出口選手の燃費が極端に悪いわけではないのです。ただ、同じチームで走る選手と比べるといつもちょっとだけ燃費が悪いというだけなのです。

昨年の8耐コラムで「芹沢の28周」と題して、芹沢選手の燃費の良さとその秘密を紹介しました。

(そのコラムはこちらです。≫ http://www.raycraft.jp/column/?p=212 )

燃費の良し悪しはその走り方に大きく依存します。 そして、その走りのスタイルを燃費向上のために変えることはライダーにとっては非常に難しいことです。なぜなら、スロットルの開け方、戻し方、ブレーキの掛け方、ギア使い、車体の動かし方、そのどれもがすべて速く走るための一連の流れになっていて、その一部分だけを別のスタイルにするということはタイムを犠牲にするだけでなく、走りのリズムや感覚を鈍らせてしまうリスクも含んでいるからです。

その一方で、例えば、ダンロップコーナーと130Rの使用ギアを一速高くする、シフトダウンのときのスロットルのあおりを極力少なくするなどの細かいところを積み重ねてゆくと、これだけで数10ccの燃料消費量削減につながってくるというのも事実です。

出口選手はこの”走り方を変える”という作業に果敢に挑戦し燃費を改善する一方、私たちもエンジンマネージメントで燃費の向上を図りました。

Deguchi

今シーズンの燃費改善の秘策は、前回のコラムで前振りした「カットオフ」です。

カットオフとは、の話しをする前に、まず燃費を良くするために何をやるべきか?燃料を薄くする。それは当然ですが、ではどの部分を薄くすれば良いのか? 全開域? 加速の過渡? いいえ、答えは減速区間です。

意外に思われた方は、2年前の8耐コラムで紹介した燃料を絞る話しをぜひご一読ください。

そのコラムは▼こちらです。

http://www.raycraft.jp/column/index.php?s=%BB%F6%C1%B0%A5%C6%A5%B9%A5%C8%CA%D4

減速区間、つまり、スロットルを戻してから次に開けるまでの区間で、いかに燃料を使わないようにするか?

一番簡単なのは燃料を止めて(吹かないようにする)燃えないようにする。これが”フルカット”です。 しかしフルカットには副作用もあります。 それはカットからの復帰時にショックが大きいということです。

カットで燃料を削りたい、でも復帰時にはスムーズな加速を再開したい。 この二つのわがままをかなえるには、カットに様々なバリエーションを持たせるしかありません。

そこで、今年、マイクロテックのM232Rに追加したロジックは、次のようなカットのバリエーションです。

1.気筒別/ギア段別にカットする/しないを選べる。

2.さらに1の条件設定の中で、カットするを選ぶと、次にその条件下で各回転数ごとにカットのスロットル開度の閾値と、そのときの燃料の増減量、さらには点火時期のオフセットも任意に設定できる。

3.また、このカットオフのロジックは、カットからの復帰時、急激にベースマップに戻るのではなく、ベースマップまで徐々に復帰させる機能があり、その復帰までの時間を任意に設定することが出来る。

例を挙げると、1気筒と3気筒の3速以下をカットするに設定し、エンジン回転が5000rpm以上で、開度が2%以下の時に燃料をベースマップの50%にし、ベースマップまでの復帰の時間は50msec。 といったような具合です。 実際にはエンジン回転とスロットル開度の設定、燃料の減らし方,復帰時間はさらに細かく設定しました。

この話しを読んで、「その減速のカットのときのエンプレの設定との絡みはどうなってるの?」と疑問をもたれたアナタ! すごいです。特にGSXR1000とZX10Rはエンジンブレーキコントロールをバリアブルフルクローズタイプにするとカットオフとエンジンブレーキコントロールの折り合いが一般的な汎用ECUではつかなくなります。 そこはここで説明するにはあまりに難しいので、別の機会に主任技師に説明してもらいます。

このカットオフにより、1スティントで27周を確実に走れるように燃料セットし、さらにもうひとつの武器を投入しました。 それは前回のコラムでご紹介した2DのMidi Dashです。

MIDI Dash

ディスプレイの表示を解説すると、上段左がラップタイム。 下段左がTC(トラクションコントロール)のレベル表示、下段右が選択しているマップの表示、そして中段右に表示しているのが燃料消費量です。

インジェクタの容量を基準にECUが算出している燃料消費量の値をここに表示し、消費量が22リッターを超えると、アラームの赤ランプが点滅してライダーに知らせるという設定にしました。

これで、ライダーは1タンク24リッターに対し今どのくらい燃料を消費しているのかを見て、この数値からあと1周いけるかどうかの判断をすることができますし、逆に想定より燃費が悪い場合でもガス欠という最悪の事態を回避することが出来ます。

ライダーの走り方、燃料のカットオフのロジック、そしてダッシュディスプレイの燃料消費量表示、この3段構えで、燃費に対する不安感を大幅に払拭することが出来ました。

いよいよ8耐レース本番、スタートライダーの芹沢選手は想定の25周にライダー判断で一周プラスの26周、続く第2スティントの出口選手も燃費を考えた走行に徹しディスプレイの燃料消費量の数値を見て自己判断し、なんと想定の27周にプラス1周の28周を走行。 燃費はなんと7.1。 ピットのスタッフもびっくりの好燃費となりました。

出口修、もう誰にも燃費が悪いとは言わせない!

ネコラム2012年9月12日

2012 鈴鹿8耐レビュー その1 <戦闘準備>

Suzuka8H_2012

最近コラム読者の方にお会いするたび、コラムのアップが滞っているとのご指摘を受け平謝りの日々が続いておりました。

ご無沙汰しておりました。ネコラムです。

前回アップからすでに3ヶ月が経過し、隔月刊どころか季刊になってしまっていますが、今回もめげずにアップします。

御題はすでに賞味期限ギリギリの鈴鹿8耐ネタです。

まだまだ残暑厳しい折ですが、秋の夜長の夜更かしに、レイクラフトの夏の思い出にお付き合いください。

レイクラフトでは2012年の鈴鹿8耐も、昨年同様EVAトリックスターレーシングチームのエンジンマネージメントを請け負いました。2年目のKawasaki ZX-10Rですので、電装品もさらに戦闘力をアップ!

ECUは昨年に引き続き、マイクロテック製のM232R。 これに、新たにいくつかのロジックを追加しました。

dscf0003.JPG

その中でも注目のロジックは、”カットオフ”。「 これに尽きます。」 (主任技師 談)

このロジックは、耐久レースの重要なポイントとなる燃費向上に大いに貢献するロジックで、その内容は次のコラムで詳しくご説明します。

データロガーは2D製ですが、今年は昨年よりグレードアップして4CANのメモリーモジュール。これの最大の特徴は通信がTCP/IPであること。ダウンロードはUSBの約3倍の速さです。

CANのチャンネル数は160チャンネル、メモリは2GB、Deutschのオートスポーツコネクタはリアルレーシングの定番。かっちりしたつくりは2Dならではのハイエンドモデルです。

4CAN memory module

さらに新規投入は2DのMidi Dash(ミディダッシュ)。Moto2でも使用されている2D最新のディスプレイです。

MIDI Dash

これは、従来のMini Dashに比べて液晶画面の面積が約1.5倍、表示できる項目が増えてかなりの武器に!この武器がどれほど役に立ったかはあとで詳しくご紹介します。

続いては以前にもご紹介したことのあるハンドルスイッチ。

TC SW

ファミコンSW

ゲーム機のボタンのように見えるのでレイクラフトでは通称「ファミコン」と読んでいるスイッチです。 TC(トラクションコントロール)のアップダウン、マップの切り替え、ピットロードリミッターのON/OFF、エンジンのキルスイッチ、燃料カウンターのリセットと、このスイッチセットでこれだけの仕事をこなしてくれる優れものです。

そして、シフター。 よりよいシフトデバイスを求め続けるわが主任技師が今年ロックオンしたシフターは、フランス TEXYS社製のTexense モータースポーツシフター。

TEXES shifter

TEXYSシフター

荷重セットは決して簡単ではありませんが、一度適正な荷重をセットすれば、その信頼性、作動性、確実性は他の追従を許さない・・・とちょっと大げさすぎましたが、かなり良かよ~!(なぜか九州弁、実は九州にて執筆中・・)

これらの武器を引っさげて、モタード@伊那が終わった直後から、レイクラフトは8耐モードに突入したのです。

そして6月7日の鈴鹿公開テストを皮切りに、6月最終週にも鈴鹿テスト、7月は毎週テストと8耐に向けて怒涛の追い込みが始まったのでした。

この後もレビューは続きます。 お楽しみに!

ネコラム2012年6月9日

モタードmoto1 伊那は涙雨・・・

どうもご無沙汰でございました。 気が付けば5月はコラム一本もなし。

情報の鮮度にやや問題のあるレイクラフト・コラムですがめげずに先週の話をしちゃいます!

もう6月なんですね。モタードmoto1も第3戦を迎え、ところは伊那!

第2戦の琵琶湖は私めが都合でレースに出向けず取材が出来ませんでコラムアップならず。

主任技師1人で孤軍奮闘し、結果はレース1が森田IKKIが2位、松本Yassyが4位、MITMAX6位、 レース2ではMITMAXが3位表彰台、Yassy5位、IKKIは残念ながら転倒リタイアとなりました。 詳しいレースレポートやリザルトはこちら ↓ からご覧下さい。

http://www.mfj.or.jp/user/contents/Watching-a-game_info2012/motard/index.html

今回の伊那は逆周りで、ホームコースにしているライダーにもアドバンテージが薄くなる設定。 さらに、美浜や琵琶湖に比べてもダートセクションの割合が多く、前回の琵琶湖の何じゃコリャ!というトリッキーなダートとは違い、正統派のダートで面白いレースを予感させるコースレイアウトです。(私個人の意見です)

up2date

特に第1ダートの出口と第2ダートの長いテープルの攻略が肝と見ました。(素人見の私個人の意見です。)

さらに、このダートコースの土というのでしょうか、砂というのでしょうか、泥というのでしょうか、つまり”ダート”の粒子がやけに細かい気がする。これがダートの走りに影響するのか否か・・・(くどいようですがあくまで私個人の意見です。)

6月2日(土曜日)夕方、グリッドを決める重要なタイムアタックの時間です。 コースはドライで、天候は湿度がかなり低めのカラッとした晴れ。

結果は1位佐合、2位IKKI, 3位MITMAXとここまでが49秒台。Yassyは50秒2で8番手という結果になりましたがそれでもトップの佐合からはわずか0.5秒差で、タイムアタックの結果はいわゆる”日東専駒”状態。僅差の戦いです。

翌6月3日(日曜日)の朝フリはIKKI, 佐合、 MITMAX, Yassyの順でここまでが50秒台、5番手にJAWS増田が怪しく上位をうかがっています。

ロードレースでもそうですが、朝フリ(レース当日の朝のフリープラクティス)の結果は結構重要でその日のレースの結果を暗示することが多いのです。

いざ出陣! (カメラ目線ありがとうございます。 えッただ左右確認しただけ?)

MITMAX出陣!

RACE1はドライ。 スタートでMITMAXはちょっと順位を下げて4番手、前を行くJAWSをなかなか追い込めず、4位でゴール。 IKKIは佐合に最後まで食らいつくものの惜しくも2位。

RACE1表彰式

昼過ぎから雲行きが怪しくなりMoto1オープンのレーススタート直前に降り出した雨がどんどん激しくなり、ウェット宣言。そしてスタートディレー。

すっかり路面はウェットとなりMoto1PROクラスのレースもフルターマックで周回数減算の措置が取られました。

ウォームアップ走行

スタート前に特別に3周のウォームアップラップが設けられ各選手はレインに履き替えたタイヤや車体の状態を確認すべく走行。

ここで、ロード出身でウェット路面を物ともしないMITMAXは他の選手を圧倒する走りを見せ、その脅威に圧倒されたのか、冷静な佐合選手が珍しくウォームアップ中にコースアウトする展開となり、MITMAXに勝機ありか?と期待が高まりました。

RACE2 スタート

しかし、スタートでRYUTAとJAWSに前に出られ、MITMAXはIKKIとJAWSの後塵を拝するポジションに。

コーナリングは明らかにMITMAXが早いのですが、前の二人が完全にMITMAXの行く手を阻みなかなかパスすることが出来ません。

この3台がせめぎ合いをする間にトップの佐合とRYUTAを逃がす展開になってしまいます。

MITMAXはコーナー、コーナーで前の二人の隙を狙いますが、ラインをふさがれてしまい、ストレスのたまる展開に。

10周に減算されたレースは無念にもこの膠着状態を打開できないままに終了となり、MITMAXにとっては非常に悔しいレースとなりました。

RACE2表彰式

第3戦終了時点でのポイントランキングは、1位-佐合(104p)、 2位-RYUTA(90p)、 3位-IKKI(81p), 4位-JAWS(80p)、5位-MITMAX(77p)、 6位-Yassy(70p)となっています。

次はみちのくラウンドpart1のエビス。 MITMAXがリベンジを果たせるか、ホームのIKKIに分があるのか、佐合を誰が止めるのか、今後の展開にますます目が離せなくなってきました。

6月24日のmoto1 オールスターズ Round4 エビスに是非足を運んでみてください。

余談ですが、moto2クラスで気になるライダーを発見。 Husqvarna SM250を駆るCPSports所属の新井誠選手です。

ティーンエイジャーとは思えない冷静で落ち着いたレース運びで、琵琶湖、伊那と2連勝中。今後が楽しみです。

さらに余談ですが、MITMAXのピットテントでこんな物も発見!

ツナギの細かなディテールまでしっかり再現してます。スゴスギ。

ファントム しゃちょ?

ファンの女性からの手作りプレゼントらしいですが、私はてっきりファントムしゃちょの分身かと・・・・失礼 f(^_^;  (カレー美味しかったです。)