Raycraft racing service

2016年5月5日

Ducati MH900e DBWプロジェクト!<完結編>

大変長らくお待たせいたしました。

あのプロジェクトはどうなったの?とのお問い合わせが有ったか無かったかは別にして、
「安心してください! ちゃんとやってます!(笑)」

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以前こちらのコラムで前振りさせて頂きました、Ducati MH900e DBWプロジェクトがいきなり途中経過をすっ飛ばしてついに完結編へとたどり着きました。
ふと気づいたら前振りしたのがなんと1年前のGW真っ只中。そして完成のご報告がまたもGW真っ只中となりました。

決して丸々1年間掛かった訳ではなく、フクダテクニカさん、レイクラフトそれぞれの作業を少しづつ進めながら冬の間2回ほど仙台にお邪魔して確認の作業とテストを行い、ついに完璧な仕上がりとなりました。

今回のDucati MH900e DBWプロジェクトの概要は、前振り編で簡単にご説明してありますので、ここでは具体的なDBW化の詳しい内容をご説明させていただきたいと思います。

まず、最初に取り掛かったのが、スロットルボディの選定です。

2気筒独立して作動する電子スロットルはドゥカティにもあるにはありますが、いかんせんお値段が高いのです。
そこで、他メーカーの部品をいろいろ探してみたところ、ありました!
アプリリアのシバー750ccのスロットルボディ! これなら価格も手ごろでDBWには性能的にも電装サイドとしては好都合です。

難しいのは、これをどうMH900eのシリンダーに添わせるかです。

MH900eのエンジンにシバーのスロットルボディを、それも狭いトラスフレームの中にきれいに収められるのか???
難易度の高い移植手術となります。
こんなことができるのは名医フクダテクニカさんならではの術式でお願いしないと無理でしょう。

アクセルのグリップ・ポジション・センサーはドゥカティのパニガーレ系部品を使用。

そんなこんなで、ようやく火入れまでたどり着きました。

使用するECUはマイクロテックのM232R プラス M282 DBWモジュールです。
DBWの制御自体はECU本体のM232Rで行い、CAN通信でつながるM282はDBWのアクチュエータ・ドライバとして仕事します。

ベースマップはドゥカティの900ccのものを流用しましたが、細かく燃料をセットするため台上へ。
スロットル開度ごとの燃焼データを計測しフィードバック機能も活用しながら燃料を調整してゆきベースマップを整備してゆきます。
いつもながら結構地道な作業です。

でも、DBWの大きなメリットがここで大活躍です。
通常、ケーブルでつながっているスロットルだとライダーが各開度ごとにモニターを見ながらアクセルグリップをキープしてデータ取りをしなければならないのですが、DBWならECU側で開度を設定し、ライダーはスロットルを全開にしておけば指定の開度でスロットルがキープされるのでぶれることなく正確な開度毎のデータが計測できるというわけです。

ベースマップの整備は順調に進むと思われていましたが、途中ちょっとしたハプニングが...

ある特定の回転域でエンジンがくしゃみをするのです。まあ、その辺にあった900ccエンジンのマップを流用していますし、ハイパーなカムも投入されているということで、在りもののマップではご機嫌斜めさんになる部分もあったのでしょう。

いろいろデータを調べてゆき、インジェクション・タイミングを変えることでこの風邪の症状が改善されました。
こういう微調整がピンポイントでできるのもマイクロテックのメリットですね。

それから、DBWでユーザーにとって身近なうれしいことがひとつ。

それは、クラッチを切らず、アクセルも戻さずにシフトダウンが出来る「ブリッピング」の機能が使えるようになるのです。

これは朗報です。

ぜひ動画でその様子をご覧ください。
(この車両はストリートシフトなので、蹴り上げがシフトアップ、蹴り下しがシフトダウンです。)

こうして、難航すると思われたMH900eのDBWプロジェクトは、ちょっと時間が掛かりお客様をお待たせしてはしまいましたが無事にミッション・コンプリートとなりました。

”MH900e” なのに ”DBW” カッコイイです。間違いなく。

そして、よ~く車両の画像を見て頂ければわかると思いますが、

”MH900e” なのに ”計測関係もフル装備” シビレます。間違いなく。

☆☆☆